タイにおける伝統医療としてのユーファイについて

一般社団法人ユーファイ協会が普及する女性のためのハーブ温熱療法であるユーファイは、タイの伝統医療分野において、昔から行われてきた女性のためのケアです。そのケアの効果は、1990年代から様々な医療従事者によって研究が進められていました。

2012年には、「中央地域のコミュニティにおける母親と出生後の子供のためのタイの伝統医学(ユーファイ)」として、タイの文化振興局(Ministry of Cultuer)より助成金をうけて研究がまとめられた論文が発表されました。

その結果、タイの健康庁(Ministry of Public Health)において、保健医療としてのユーファイの普及が行われるようになりました。

一般社団法人ユーファイ協会では、タイの様々なユーファイの講師から学んで実践を重ねたことと、この論文をベースとした「ユーファイガイドライン」を基本のカリキュラムとして日本での普及活動を行ってきたことを、タイの健康庁(Ministry of Public Health)から認められ、2019年度には、タイ・チェンマイにて開催されたThai Spa Awards の Thai Wisdom 部門ワールドクラスにおいて最優秀賞を授与されました。授与式には、タイ本土の受賞者だけではなく、世界8ヶ国から様々な団体が参加しました。受賞にあたっては、一般社団法人ユーファイ協会で行われている講習内容、講師の学歴、施設、日本国内においてのセラピストの活動など厳しく審査されました。

Spa Awards 2019このユーファイ普及の基礎となった論文は、AIが搭載された研究者向けの科学論文高機能検索エンジンであるSemantic Scholarにて公開されています。
Thai Traditional Medicine for Postnatal Motherin the Community of Central Region

概略の翻訳を下記に記載いたします。ユーファイ協会の経験に基づく意訳や解説が含まれた翻訳となりますので、引用の際には、本文を必ずご確認の上、ご自身の責任の元に参考にしてください。

下記の論文以外でも、様々なユーファイについての論文を発見しましたので、ユーファイを提供しているみなさまに提供していけるように少しづつ翻訳を進めていく予定です。

一般社団法人ユーファイ協会は、この論文を基本とした「ユーファイガイドライン」を日本用にまとめ上げ、ユーファイを安全に提供するカリキュラムとして、セラピスト向けにオンライン座学講習を提供しております。施術技術は、タイ政府認定校ITM Spa Mantraのユーファイ技術認定講座や、日本用にアレンジした上級講座も提供しております。

また、日本全国には、ユーファイ協会で学んだ施術を提供するセラピストやユーファイの基礎を伝えることができるアドバイザーが活躍しております。お近くのメンバーをご紹介いたしますので、お問い合わせください。

論文

「中央地域のコミュニティにおける母親と出生後の子供のためのタイの伝統医学(ユーファイ)」

Thai traditional medicine for mother and postnatal child in the community of central region

概要

この研究の目的は、中央地域のコミュニティにおける出生後の母親のための文化的なタイの知恵と伝統医学の実践の存在を探求し、政府と非政府の実践から産後ケアの知識を収集し、実践するための方法を研究することでした。看護カリキュラムと介護者のためのトレーニングへの母親のための知恵と伝統医学の実践は、ラチャブリ、カンチャナブリ、アントン、アユダヤの4つの州のコミュニティで25人の母親と24人の重要な人物からデータを収集しました。データは、詳細なインタビュー、参与観察、フォーカスグループインタビューによって得られました。

知識と信念が家族の女性の中で受け継がれていることがわかりました。彼らは健康、体の強化、美しい肌のために「ユーファイ」を練習し、子宮を良い位置に戻します。伝統的な慣習は、現代の医療サービスによって行えることがわかりました。

執筆者は、妊娠・出産後の母親の健康を活性化するために、「ユーファイ」が過去から現在までのタイ文化であることを確認しました。産後ケアの知識は、5つの手順で構成されています。

1)スモークサウナ
2)ボディハーブサウナ
3)ボディマッサージ
4)ハーブボール
5)ホットソルトポット

1)スモークサウナを除いて、すべての施術は、国民健康保険の対象となるサービスとして提供されました。看護カリキュラムにおいては、a)看護師のためのタイの助産の基本原則 b)看護師のための伝統医学による産後の母親のためのタイの知恵として選択科目に採用されることになりました。

目次

  • 第一章
    はじめに
    調査の背景
    目的
    主な調査の質問
    概念フレームワーク
    定義
    期待されるメリット
  • 第二章
    関連論文と研究
    タイの伝統医学
    タイの伝統医学による産後ケア
    エレメンタルケア
    タイの伝統医学による産後サービスの健康保険の権利
    関連研究
  • 第三章
    調査方法
    情報提供者の保護
    調査機器と品質管理
    手順とデータ収集方法
    母集団とサンプル
    データ収集
    分析と調査データ品質調査
    内容分析
  • 第四章
    データ分析の結果
    個人データ
    インタビューと観察から得られたデータ
    教育管理におけるタイの知恵とタイの伝統医学の適用へのアプローチ
    看護科学
  • 第五章
    結果
    研究の結論
    推奨事項

執筆者

Laiad Jamjan, R.N., M.E.d., Ed.D.
→ Saint Louis College (วิทยาลัยเซนต์หลุยส์) タイ・セントルイス大学看護学部長

Suree Khantarakwong, R.N., M.E.d., Ed.D.
→Boromarajonani College of Nursing Nopparat Vajira (ย์วิทยาลัยพยาบาลบรมราชชนนีนพรัตน์วชิระ)タイ・ボロマラジョナニ看護大学所属講師

Sunthorn Hongthong, R.N., M.E.d.
→Ban Yang Health Promotion Hospital(โรงพยาบาลส่งเสริมสุขภาพตำบลบ้านยาง)タイ・バンヤンヘルスプロモーション病院所属看護師

Nopanat Jampates, R.N., M.Ed.
→Faculty of Nursing Huachiew Chalermprakiet University タイ・フアチアオ チャルームプラキアット大学看護学部所属講師